浅野グループ

浅野グループでは、インスリン抵抗性と代謝異常の分子機序を解明することを目標にしています。平成18年の国民健康・栄養調査結果では、糖尿病が強く疑われる人は約820万人、糖尿病の可能性が否定できない人は約1,050万人で、合わせて約1,870万人と報告されています。現在、40~74歳の男性では2人に1人、女性では5人に1人が、メタボリックシンドロームあるいは予備群と考えられる、まさに危機的な状況です。

年齢とメタボリックシンドロームの有病率の関係

そこで、(1) インスリン抵抗性や糖・脂質代謝異常をもたらす分子機序の解明、及び (2)メタボリックシンドローム(具体的には、糖尿病や高脂血症、脂肪肝やNASH、動脈硬化の発症(特に粥状硬化巣内の細胞機能))の成因となる分子メカニズムの解明と、診断や治療方法の開発を目指しています。

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鎌田グループ

加齢にともない動脈硬化や糖尿病などのメタボリック症候群や癌が増えてきますが、このような成人病の多くは慢性的な炎症を基盤として発症することが明らかにされています。しかし炎症が慢性化して疾患を惹起する機序や機構は不明です。この解明のためには組織内の実質細胞と間質細胞の細胞間相互作用にくわえて、炎症や加齢にともなう細胞内の生化学的反応過程を明らかにする必要があります。とくに老化や慢性炎症から疾患に至る過程には活性酸素(ROS)の産生にともなう酸化ストレスが関係すると考えられていますが、ROSが産生されるメカニズムや、酸化ストレスが細胞の機能障害を引き起こす機序は未解明です。

私たちの研究グループは、ROSと細胞内シグナル伝達系との連関に着目した研究を行っています。とくに腫瘍壊死因子(TNFα)などの炎症性サイトカインや転写因子NF-κBを中心としたシグナル伝達系の制御機構と、ROSの制御機構の解析を行っています。

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